たんぱく質を摂ると、体温は上がります。
「冷え性ってもう体質だから仕方ない」と思っていませんか。
冬の手足の冷えはもちろん、最近は「夏でもエアコンで冷えてしまう」「在宅ワークで一日中身体が冷たい」という方が増えているんですね。
体温の上げ下げには、運動や入浴のほかに、毎日の食事も大きく関わっています。なかでも、たんぱく質には「食べると熱が出る」というはっきりした作用があるんです。
仕組みと、なぜ朝が一番効くのか、夏の冷え対策にどう活かせるのか、順番にお話ししますね。
たんぱく質で体温が上がる仕組み(DIT)
食事のあとに身体がぽかぽかしてくる感覚、ありますよね。
これは 食事誘発性熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis) という現象で、食べた栄養素を消化・吸収するときに発生する熱のことなんです。
3大栄養素で、熱の発生量がぜんぜん違う
DIT は、何を食べたかで大きさが変わります。
| 栄養素 | 摂取エネルギーのうち熱になる割合 |
|---|---|
| たんぱく質 | 約 30% |
| 糖質 | 約 6% |
| 脂質 | 約 4% |
たんぱく質だけ、ケタが違うんですね。
同じ 200kcal を食べても、たんぱく質中心の食事なら 60kcal が熱として出ていきます。糖質や脂質中心だと 10kcal 前後。「食べると身体があたたまる」のは、たんぱく質ならではの特徴といえそうです。
なぜたんぱく質だけ高いのか
たんぱく質は、身体のなかで「使われる場所」がとても多い栄養素です。
筋肉、コラーゲン、酵素、ホルモン、抗体などなど、形を変えて働く先がたくさんあるんですね。形を変えるという作業や、酵素として食品を分解する作業そのものでも、エネルギーが消費されます。
役割が多い分、エネルギー消費も激しい。だから熱が出やすい、というイメージで合っているかもしれません。
朝のたんぱく質が一番効果的な理由
DIT は1日中いつでも同じ大きさで発生するわけではないんです。
朝 > 夜の差は、想像以上に大きい
研究では、朝に摂ったたんぱく質の DIT は、夜の約2倍 とも言われています(夜に摂ると DIT による体温アップ効果が半減する、という報告)。
これは体内時計と関係していて、朝食はその日の代謝スイッチを入れる役割を持っているんですね。光と食事が、24時間周期をリセットするきっかけになっている、というのは ノーベル賞で話題になった研究でも明らかになっています。
朝のたんぱく質 = その日1日の代謝を底上げする入り口
朝にしっかりたんぱく質を入れた日は、
- 体温が上がりやすい
- 午前中の集中力が落ちにくい
- 食後の眠気が出にくい
- 1日の合計たんぱく質量をクリアしやすい
という連鎖が起きやすくなります。
逆に朝抜き or トーストとコーヒーだけ、という日は、お昼にどれだけ頑張っても 1 日の合計でたんぱく質が足りないことが多いんですね。
甘くない、食事に足すプロテインスープ
冷え性は冬だけじゃない
「夏冷え」が増えている
ここからが、この記事のアップデートで一番お伝えしたかった部分です。
「冷え性」というと冬のイメージが強いですよね。でも最近、
- 夏でも手足が冷たい
- オフィスや在宅のエアコンで一日中身体が冷えている
- 暑い外と冷えた室内の往復で、自律神経が乱れている
- 冷たい飲み物・アイスで内臓を冷やしている
という相談がとても増えているんです。
夏の冷えがやっかいな理由
夏の冷えは、本人が「冷えている」と気づきにくいんですね。気温は高いので、寒さとして自覚しにくい。でも身体の内側は、エアコンと冷たい食事でじわじわ冷やされている。
そのまま放っておくと、
- 疲れが抜けにくい
- 食欲が落ちる → 食事量が減る → さらにたんぱく質不足
- 自律神経の乱れ → 睡眠の質低下
- 秋〜冬本番の冷え性が悪化する
という連鎖が起きやすいんです。
夏こそ「朝のたんぱく質」を切らさない
夏は食欲が落ちて、朝食が「冷たいヨーグルト」「アイスコーヒーだけ」になりがちです。
ここに、温かいたんぱく質を1品足せるかどうか。それだけで、DIT が回って体温が一段階上がります。
冷房で冷えた身体を、外側から温める(カーディガンを羽織る)のと同時に、内側から温める(朝にたんぱく質)。両方やると、夏冷えの軽減につながるかもしれません。
デスクワーク・在宅勤務の人の体温問題
特に冷えを感じやすい生活シーンを挙げておきますね。
一日中座っている
筋肉は、動かさないと熱を作りません。8時間以上座りっぱなしの生活だと、筋肉発熱がほぼゼロ。代わりに食事の DIT で温めるしかないんです。
在宅ワークで、外出が少ない
外気温との接触が少ないと、体温調整の自律神経が鈍りやすくなります。冷房の効いた家の中だけで一日が完結すると、夏でも基礎体温が下がる方が多いんですね。
冷たい飲み物・スムージーが多い
身体にいいと言われるスムージーも、冷たいまま空腹に大量に入れると、内臓を一気に冷やします。夏でもときどき、温かいもので内側を戻してあげる時間があったほうがいいかもしれません。
食が細くなりがち
夏バテで食欲が落ちると、たんぱく質摂取量が一気に落ちます。1食20gが10gになり、1日合計で 30g台、ということも珍しくありません。
朝に取り入れやすい、たんぱく質のあるメニュー
冷え対策として、朝に温かいたんぱく質を入れる具体例です。
| メニュー | たんぱく質目安 | 準備の手間 |
|---|---|---|
| 卵スープ + おにぎり | 約 10g | ★(卵を溶くだけ) |
| 納豆ごはん + 味噌汁 | 約 12g | ★(混ぜるだけ) |
| ゆで卵2個 + ヨーグルト | 約 16g | ★★(前夜に茹でておく) |
| 鮭おにぎり + 豆腐の味噌汁 | 約 15g | ★★ |
| プロテインスープ + ご飯 1膳 | 約 14g | ★(お湯を注ぐだけ) |
| ホットミルク + シリアル | 約 8g | ★ |
朝の理想は 1食 20g ですが、いきなり20gは大変です。「朝に10g以上を温かい形で入れる」くらいから始めると、続けやすいかもしれません。
冷たい朝食しか取れない日でも、味噌汁やスープを1杯足すだけで、DIT のスイッチが入りやすくなります。
冷え性とたんぱく質
できることと、できないこと
正直にお話しすると、たんぱく質を摂ったからといって、すぐに冷え性が治るわけではないです。
冷え性の原因は、
- 筋肉量の不足(基礎代謝の低下)
- 自律神経の乱れ
- 血流の悪さ
- ホルモンバランス
- 鉄分・ビタミン不足
など、複数が絡んでいることが多いです。
たんぱく質は、このうち「筋肉量」「酵素・ホルモンの材料」「DIT による熱産生」の3つに効きます。全体の一部ですが、毎日コツコツ積み上げられる部分なんですね。
冷え性の改善に「これだけやれば大丈夫」というものはないと思います。睡眠、運動、入浴、食事など、できる範囲で組み合わせていくのが現実的かもしれません。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. プロテインを飲めば、運動しなくても代謝は上がりますか?
たんぱく質を摂れば DIT で一時的に体温は上がりますが、基礎代謝そのものを上げるには筋肉量が必要なんですね。たんぱく質は「筋肉の材料」、運動は「筋肉を作る刺激」。両方そろってはじめて代謝が上がる、というイメージかもしれません。詳しくは「運動しなくてもプロテインは必要」もどうぞ。
Q2. 夜にたんぱく質を摂るのは意味がないですか?
意味がないわけではありません。寝ている間に身体の修復が進むので、夜のたんぱく質も筋肉維持には大事です。ただ、「体温を上げたい」「代謝を高めたい」という目的なら、朝のほうが効果が大きいというだけのお話なんですね。理想は朝・昼・夜で均等に。難しいなら、まず朝から優先。
Q3. 温かいプロテイン飲料を寝る前に飲むのはどうですか?
寝る前のホットミルクや温かいプロテインは、リラックス効果や軽い体温上昇には役立つかもしれません。ただ、消化に負担をかけたくない方は、就寝の2〜3時間前までに済ませるのが無難です。
Q4. 冷え性の女性が一番優先するべきことは何ですか?
ひとつに絞るのは難しいですが、私たちがよくお伝えしているのは 「朝食にたんぱく質を1品足す」 からです。これが一番ハードルが低くて、毎日続けやすく、効果も体感しやすいんですね。そこから運動や入浴を足していくと、無理がないかもしれません。
Q5. 夏のエアコン冷えにも、たんぱく質は効きますか?
たんぱく質単体で「効く」と断言するのは難しいです。ただ、夏でも朝にたんぱく質を切らさず、温かい形で入れる習慣を続けると、エアコンで冷やされた身体を内側から温める助けにはなると思います。冷房対策のカーディガンと、内側のたんぱく質。両輪で考えてみてください。
まとめ
- たんぱく質には DIT という熱を生む作用があり、3大栄養素のなかで一番大きい(約 30%)
- 朝に摂る DIT は夜の約2倍。「朝のたんぱく質」が代謝・体温の入り口
- 冷え性は冬だけのものではなく、夏のエアコン冷えで悩む方も増えている
- 夏でも朝に温かいたんぱく質を1品入れる習慣が、冷え対策の土台になりうる
- たんぱく質だけで冷え性が治るわけではない。睡眠・運動・入浴と組み合わせる前提
「冷え性は体質だから」とあきらめる前に、まずは明日の朝、温かい味噌汁やスープを1杯足すところから試してみてもいいかもしれませんね。
もしわかりにくいことや、間違っていることなどお気づきのことがあったら、LINE でご連絡いただけると嬉しいです。



