運動していない人のほうが、たんぱく質は必要かもしれません。
「プロテインって、運動している人が飲むものですよね?」とよく聞かれます。
正直に言うと、これは半分正解で、半分間違っています。運動している人にも必要ですが、運動していない人のほうが、たんぱく質が不足しやすいんです。
なぜそうなるのか、何が起きているのか、1日にどれくらい必要なのか。順番にお話しします。
運動していない人ほど不足しやすい3つの理由
1. 食欲がない=食事量が少ない
体をあまり動かさない生活だと、お腹が空きにくくなります。
「最近そんなに食べていないのに体重は変わらないなぁ」という方、多いんじゃないでしょうか。消費カロリーが少ないので、それに合わせて食事量も自然と減っているんですね。
でも、ここに落とし穴があります。食事量が減ると、たんぱく質の摂取量も一緒に減ってしまうんです。糖質や脂質は意外と少量でもしっかり摂れるんですが、たんぱく質は「ある程度の量を食べないと届かない」栄養素なんですね。
2. 筋肉量が落ちやすい
運動していなくても、筋肉は毎日少しずつ作り変えられています。古い筋肉を分解し、新しい筋肉を合成するサイクルが常に回っています。
このサイクルの材料になるのがたんぱく質です。
運動している人は「筋肉を増やす」ためにたんぱく質を意識しますが、運動していない人は「筋肉を維持する」ためにたんぱく質が必要です。意識して摂らないと、合成より分解のほうが上回ってしまい、じわじわ筋肉が落ちていくんです。
筋肉が落ちると、基礎代謝が下がる。代謝が下がると、冷えやすくなる、疲れやすくなる、太りやすくなる、と連鎖していきます。
3. 「タンパク質を食べた」と勘違いしやすい
「お肉も魚も卵も食べてるから大丈夫」と思っている方、結構いらっしゃいます。
実は、1食でしっかり摂れているように見えても、3食合計で全然足りていないということが起きやすいんですね。
たとえば朝はトーストとコーヒー、昼はおにぎりとサラダ、夜は焼き魚と野菜。これだとたんぱく質は1日で 30〜40g 程度。後で出しますが、これは目安の半分くらいです。
1日に必要なたんぱく質の量
厚生労働省の推奨量(2025年版)
| 年齢・性別 | 1日の推奨量(g) | 1食あたり目安(g) |
|---|---|---|
| 成人女性(18〜64歳) | 50g | 約17g |
| 成人女性(65歳以上) | 50g(高めに設定) | 約17g |
| 成人男性(18〜64歳) | 65g | 約22g |
| 成人男性(65歳以上) | 60g | 約20g |
これは最低ラインです。健康維持のための最小値という位置づけ。
近年の研究では「特に女性や高齢者は、推奨量よりも多めに摂ったほうが筋肉量を維持しやすい」という報告も増えていて、体重 1kg あたり 1.0〜1.2g(体重50kgなら50〜60g)を目安にする見方もあります。
1食20gって、どれくらい?
具体的な食品で見るとこんな感じです。
| 食品 | 量 | たんぱく質 |
|---|---|---|
| 鶏むね肉(皮なし) | 100g | 約23g |
| 鮭の切り身 | 1切れ(80g) | 約18g |
| 卵 | 2個 | 約12g |
| 納豆 | 1パック | 約8g |
| 豆腐 | 半丁(150g) | 約10g |
| 牛乳 | コップ1杯(200ml) | 約7g |
| ご飯 | 茶碗1杯 | 約4g |
鮭1切れ + 卵1個 + 豆腐半丁 で、ようやく1食 約24g。これを毎日3食、続けるのが現実的にどれくらい大変か、想像してみてください。
甘くない、食事に足すプロテインスープ
不足しているとどうなる?
短期的に出やすいサイン
- 疲れが抜けにくい
- 髪が細くなる、爪が割れやすい
- 肌のハリが落ちる
- なんとなく集中力が続かない
- 風邪をひきやすくなる
長期的なリスク
- 筋肉量の低下(サルコペニア)
- 骨粗鬆症の進行
- 免疫機能の低下
- 基礎代謝の低下による「太りやすい体」化
たんぱく質は、肌・髪・爪・骨・血液・ホルモン・酵素・抗体などなど、体のほぼすべての材料になっています。「足りないと何が起きるか」より「何を作るのに使われているか」を考えると、不足のリスクが見えやすいかもしれません。
デスクワーク・在宅勤務の人へ
特に意識してほしい生活シーンを挙げておきます。
朝食を抜きがちな人
朝にたんぱく質を入れない日が続くと、合計が圧倒的に足りなくなります。朝の20gがあるかないかで、1日の合計が大きく変わるんですね。
時間がない方は、ゆで卵2個 + 牛乳1杯 から始めてみてもいいかもしれません。
外食・コンビニランチが多い人
おにぎり + 味噌汁 + サラダ、のような組み合わせだと、ランチで摂れているたんぱく質は10g前後。意識して鶏肉のサラダ、サラダチキン、ゆで卵、納豆巻きなどを足すと、20g に近づきやすくなります。
夜が遅くて食欲がない人
夜遅くにがっつり肉や魚を食べるのは、消化的にもしんどいですよね。朝・昼でしっかり摂って、夜は軽くというリズムのほうが、全体としては摂りやすいかもしれません。
食が細い・少食の人
これが一番難しいケースです。物理的に量が入らない方は、「少量でたんぱく質が高い食品」に置き換えていくのが現実的。卵、納豆、豆腐、ヨーグルト、チーズ、プロテインスープあたりは、量の割にたんぱく質が多めです。
補い方の選択肢
毎食の食事だけで足りないとき、補い方は大きく3つあります。
1. プロテインパウダー(一般的なプロテイン)
水や牛乳に溶かして飲むタイプ。1杯で 15〜25g 摂れて、コスパも一番いいです。
ただ、甘いものが続けられない方、お腹がゆるくなる方(特にホエイプロテインで多い)には合わないことがあります。
2. プロテインバー・プロテインクッキー
手軽さは一番。ただ糖質や脂質も多めで、1本あたりのたんぱく質は 10〜15g くらいが多いです。
3. プロテインスープ
KOREDE のプロテインスープは、1食あたり たんぱく質 約10g、19種類のビタミン・ミネラル入り。1食 65〜75kcal 程度(商品により異なります)。
ただ、正直に言うと、たんぱく質を増やすことだけが目的なら、一般的なプロテインのほうが安いし量も摂れます。プロテインスープは「食事の1品として、たんぱく質を底上げしたい」「甘いプロテインが続かない」という方に向いている形なんですね。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 運動していないのにプロテインを飲んでも、太りませんか?
たんぱく質そのものでは太りにくいんですね。三大栄養素のなかで、たんぱく質は消化に使うエネルギー(食事誘発性熱産生)が一番大きく、約30%が熱になって消費されます。ただし、「いつもの食事 + プロテイン追加」でカロリーが増えれば、当然太る可能性はあります。「足し算」ではなく「置き換え」または「補完」で考えるといいかもしれません。詳しくは別記事「プロテインは太る?」もどうぞ。
Q2. たんぱく質は、一度にまとめて摂っても大丈夫ですか?
体は一度に大量のたんぱく質を吸収しきれない、という研究もあります。1食あたり 20〜30g 程度を、3食に分けて摂るのが効率的と言われているんですね。夜だけ大盛りより、朝・昼・夜で均等に。
Q3. 高齢の親に勧めたいのですが、何から始めればいいですか?
朝食にたんぱく質を1品増やすところから始めてみてください。卵、納豆、ヨーグルト、豆腐などが取り入れやすいです。咀嚼や嚥下が気になる場合は、スープ形式や柔らかい煮物など、無理なく続けられるものを選ぶのが大事かもしれません。
Q4. 結局、運動しないとプロテインの効果はないんじゃないですか?
「筋肉を増やす」ことが目的なら、運動 + たんぱく質 の組み合わせが一番効きます。ただ、運動していない人にとっての目的は「筋肉を維持する」「肌・髪・骨の材料を切らさない」「免疫を保つ」ことのほうが大きいんですね。これは運動の有無に関係なく、毎日必要な役割です。
Q5. プロテインを飲むタイミングは?
運動していない人の場合、タイミングよりも1日の合計量を確保することのほうが大事です。朝食、昼食、夕食のどこかに1品足す、という考え方で十分です。
まとめ
- 運動していない人のほうが、たんぱく質が不足しやすい(食事量が少ない・筋肉維持に必要・摂れているように勘違いしやすい)
- 1日に必要なのは、成人女性で 50g、成人男性で 65g(最低ライン)
- 1食20gは、鮭1切れ + 卵1個 + 豆腐半丁 くらい。続けるのは意外と大変
- 不足は、髪・肌・疲労感・代謝・免疫などにじわじわ現れる
- 補う方法は、プロテインパウダー / プロテインバー / プロテインスープ など。生活スタイルに合うものを選ぶ
「運動していないから、プロテインはいらない」ではなく、「運動していないからこそ、食事のたんぱく質を少し意識する」くらいの感覚で、毎日の1品から始めてみてもいいかもしれませんね。
もしわかりにくいことや、間違っていることなどお気づきのことがあったら、LINE でご連絡いただけると嬉しいです。



