「運動してなくてもプロテインって必要ですか?」
プロテインというと、薬のように思っておられる方がおられます。あくまでもProteinというたんぱく質の英語が、プロテインであって薬ではありません。
たんぱく質というのは、いわゆる3大栄養素の1つなので、間違いなく、誰でも必要なわけです。
「プロテインはいつ飲めばいいですか?」
これもよくある質問です。3大栄養素なわけですから、たんぱく質は毎食必要です。
1日1食や16時間断食みたいな健康法もあり、そこは信じる宗教のようなものだと思っています。
私たちは、あくまでも1日3食が良いんじゃないかなと考えているので、それを前提にお話します。
タンパク質の種類は10万種類
たんぱく質というのは、アミノ酸の塊です。20種類のアミノ酸が、様々なパターンで組み合わさったものが、たんぱく質です。
様々なパターンというのは、100個のアミノ酸できたたんぱく質もあれば、500個のアミノ酸でできたものもあります。
コラーゲンや抗体、酵素もたんぱく質
たんぱく質と一言で言っても、100個と、500個では当然、機能や効果が変わります。
筋肉を構成する筋たんぱく質や、コラーゲンなどの繊維状タンパク質など、人間の体だけでもたんぱく質は10万種類以上あると言われています。
仮に、筋肉は必要ないという人がいたとしてもコラーゲンが必要ないという人はあんまりいないんじゃないかと思います。
振り返って最初の質問を考えるとより、プロテイン(たんぱく質)はみんな必要なものということがわかっていただけると思います。
プロテインいつ飲む?
次に2つ目の質問ですが、たんぱく質を作るアミノ酸は20種類が独自のバランスで、全身の血液の中に存在しています。
これを血中アミノ酸濃度といいます。アミノ酸は全身を回る中で、筋肉に使ったり、コラーゲンに使ったり、抗体に使ったり、酵素に使ったり、いろんな形で使われていきます。
運動後にプロテインを飲んだほうが良いというのは、通常はまんべんなくいろんなものに使われるアミノ酸が、一時的に傷ついた筋肉を補修するのに偏って使われるからです。
運動後に飲むのはハードな運動をしている人
筋肉に偏って使われるので、運動をしていないときにバランスよく使われていたアミノ酸は、筋肉に集中的に使われ、コラーゲンや抗体などへの配分が足りなくなるので、補修分プロテインを摂るのが良いと考えられているわけです。
アミノ酸を人に置き換えて、人員配置のように考えるとわかりやすいと思います。
(ただ、筋肉痛になるようなハードな運動(筋破壊)をしなければ、そんなに気にしなくても良いです。)
だから、いつプロテインを飲めばいいかというと、ハードな運動をしている人は、足りなくなったアミノ酸を補給するのに、運動後に飲んだほうが良いと言われます。
アミノ酸は数時間で足りなくなる
また、冒頭述べたように、たんぱく質は3大栄養素の一つとして、1日3食でも必要です。
よくたんぱく質は、「1日60g~90g程度取りましょう。」ということで、1日のうちでとればいいというように思っている方がおられますが、これは間違いです。
プロテインは腎臓に悪い?
1回で消費・貯蓄できるたんぱく質の量は決まっているので、とりすぎると排泄されます。排泄というのは、腎臓を働かせなければならないので、腎臓に負担がかかります。
これが、「プロテインは腎臓に負担がかかる」と言われる原因です。とり過ぎたら、当然負担がかかります。
1日3食とる理由
ではなぜ、3食必要なのかというと、血中アミノ酸濃度というのは通常4~6時間で低下し始めると言われています。
これは、血中のアミノ酸がタンパク質の合成やエネルギー源として利用されたり、排出されるからです。
だから、1回で60gとるのではなく、足りなくなったアミノ酸を補うのに、3食にわけてバランスよく取るのが良いと言われるわけです。
要するに、アミノ酸は時間的な原因か、運動などの浪費によって足りなくなるので、なくなったタイミングで、とるのが良いということですね。
まとめ
1.プロテインは誰にとっても必要不可欠な栄養素
- 3大栄養素の一つとして、すべての人が必要
- 筋肉だけでなく、コラーゲンや抗体など、体内の様々なところで使われている
2.摂取のタイミングには2つの考え方があります
- 1日3食の中でバランスよく摂取する
- ハードな運動後は追加で補給する
3.なぜ分けて摂取する必要があるのか
- 血中アミノ酸は4-6時間で低下していくため、定期的な補給が必要
- 一度に摂りすぎても上手く利用されず、排泄される
- むしろ、適量を分けて摂取するほうが効率的
プロテインは特別なサプリメントではなく、私たちの体に必要不可欠な栄養素の一つです。
日々の食事の中で意識して摂取することが大切です。特にハードな運動をする方は、運動後の補給も意識してみましょう。
ただし、プロテインの摂取は「足りない分を補う」という考え方が基本です。必要以上に摂取する必要はありません。
まずは毎食のバランスの良い食事を心がけ、必要に応じてプロテインでの補給を検討してみてください。